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| ぬばたまの墨染衣天鵝絨ビロードに匿す凶器は血に濡れて闇
BLACK CAT 肝腎の懸案故に先送りさうと知りつゝさうなる理屈
九回も百万回も同じこと叩いても死なぬ者から出立
ひと筋の糸の縺れか戯れか場面転換綾取りの生
猫に犬車軸も流す雨ならば方舟はこぶね山に造るも道理
須臾しゆゆの間に夢は現うつつと入替る狸寝入りも剣呑な術
夜光る寶石空に散りばめて猫座創らむ夏の夜の夢 跳猫と撥ねる魚さかなと蚊柱と鳶と日和見主義者を讃ほめむ
好色な猫の笑は無視せよALICE樹下には必ず陥穽おとしあなあり
断食は藝か抗議か抛擲はうてきか獄吏を鵜飼に擬する法律
瓢箪で鯰を掴む公案に逆捩ぢ喰はす猫属の爪
千鳥足抜き足差し足勇み足足場ばかりを歩く生涯
薄氷踏む思ひ忘れて度々の修羅場の巡りそれも性格
猫の銀雲母は優しきららかに捲めくる頁の目眩めくるめく空白しろ
極端を嫌ふ貴族の若殿の舌に苔産こけむす春は曙
戀猫は猫にはあらで一塊の天上天下唯我獨尊
時經れば人喰猫に成上る雙六すごろく遊びさせられし記憶
猫は馬鹿馬鹿は坊主の尻取に異義申立も即刻却下
猫じやらし猫可愛がり猫好きの主人の前では猫被りの猫
牙を剥く影絵の恐怖故郷ふるさとの化け猫話巧かりし叔父
青猫の詩人偲べば雪となる都會の涯の冬の夕暮れ
狂ふまで踊り續けて灰になる火葬場いらずの舞を危ぶむ
海猫は海に死ぬるが掟故日がな一日泣きて暮らすと
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