「はまゆう」で渡る韓国
夕暮れの中、下関港を出港、翌朝目覚めると釜山港沖に停泊中、税関が開くのを待って下船、入国。時間に余裕のある旅が出来るなら、歴史と伝統の関釜フェリーによる韓国渡航を一度試してみるのも良いかも知れません。一日置きに、日本・韓国と運航主体が変わります。写真は日本側運航の「はまゆう」、下関市花がその名の由来だそうです。

「はまゆう」は、下関と釜山を結ぶ関釜フェリーに就航する定員500名の新造船。一日交代で韓国側の 「ソンヒ(星希)」と入れ替わりで運航されています。どちらも近年の新造になり、快適な旅が可能になってきました。また 関釜フェリー公式HPが開設され、運航スケジュール・予約状況等が確認可能になっていますので、旅行日程を検討する際には必ずチェックしておきましょう。ただし、予約に関しては会社側で直接には受け付けていないので、旅行代理店を通して欲しいとのことです。

公式HP: http://www.kampuferry.co.jp/index.htm
本  社:下関市東大和町1丁目10−60 рO832−24−3000
大阪営業所:大阪市北区梅田1丁目11番4−B100大阪駅前第4ビルB1 рO6−345−2245

※2002年5月より韓国側でも新造船「ソンヒ(星希)号」を就航させています。9月上旬に乗船してきました。近日中に情報をUPする予定です。参照→ 釜関フェリーHP(韓国語)


<料 金> 関釜フェリーのパンフレットにはさんであった料金表によります。いずれも、1名分運賃です。
 

客室種別

往路(下関→釜山)

復路(釜山→下関)

特別室(2名×2室・洋室)

\18,000 
(1室使用料\20,000円加算)

\16,200 
(1室使用料\20,000円加算)

特等室(2名×8室・洋室)

\18,000

\16,200

1等室A(2名×26室・洋室)

\12,000

\10,800

1等室A(4名×12室・洋室)

\12,000

\10,800

1等室A(4名×10室・和室)

\12,000

\10,800

2等室(340名・雑魚寝(^^;)

\8,500
(学割・身障者\6,800)

\7,650
(学割・身障者\6,800)

※子供(6歳以上12歳未満)は半額(特別室のみ別設定)、幼児(6歳未満)は同伴する大人1人につき1名が無料。この他に、 ターミナル施設利用料として、大人\600円、子供(6歳以上12歳未満)\300円が必要です(6歳未満小児は無料)。

<船内の設備>

・給湯室と冷水器
各階にあります。もちろん無料で誰でも利用が可能です。旅慣れた韓国の方々は、カップ麺やお弁当を用意して、この給湯設備を活用した食事をしていました。2等船室では、あちこちの車座の中から、韓国風カップ麺のにおいが漂ってきます。冷水機の横には、むかし新幹線の中にあったような、折り畳み式の紙コップが備え付けられていました(今もあるのかな?)。下記船内レストランの利用を望まない方には、この設備は強い味方になると思います。下関駅前には、大丸・ダイエーの入ったショッピングセンターがありますので、それぞれの地下食品売り場でお弁当類の購入が可能です。ダイエーでは、カップタイプのインスタントみそ汁やスープも入手可能です。

・自動販売機
税金のかかっていないビールが購入できます。350ml缶で、¥170円です(2001.3時点)。キリン・アサヒ・サッポロの各メーカーが1台ずつ。ただし、ジュースなどのソフトドリンクは1缶(350ml)¥150円、ペットボトル(500ml)で¥170円と、かえって高くなっていました。他には、夜食用のホットキッチンにたこ焼き、焼きそば、ハンバーガー等の軽食類(¥350〜400円)、ロッテのアイスバー(¥120円)もあります。2階レストラン横の展望デッキには、高速道路サービスエリアにあるような、カップ珈琲の自動販売機もありました。

・大浴場
     
1等室には個室ごとにユニットバスがありますが、2等室を利用した場合、お風呂はこの大浴場を利用することになります。利用時間は 出港後から23:00までと翌朝4:00からでした。ただし、季節によって変動もあるようなので、必ず浴室入り口の利用時間案内を確かめてください。当方の都合により(笑)男風呂しか見ていませんが、10人程度はつかれる浴槽が二つ、取り外して手持ち使用可能なシャワーとセットになった蛇口が6口、ナリス化粧品製のリンス・イン・シャンプーとボディー・ソープのタンク(ポンプ式なので清潔)が置いてあります。更衣室の脱衣用ボックスも20個だったので、定員20名と言ったところでしょうか。更衣室の隅には、コイン洗濯機(乾燥機付き、¥200円)も設置されていました。

空いているのは、出港直後。食事の終わった20時を回った頃から混み始めます。伝聞によりますと、夜も更けた時間帯になると、女風呂では韓国アジュマの独壇場、「浴室内洗濯禁止」の表示もなんのその、仲間内でシャワーも占領して我が物顔だそうです。出来るだけ空いた時間帯か朝風呂をお薦めします。出港直後に入ると、空いていて窓から夕景色も眺められるので、私が利用するときはいつもレストランの食事開始時間帯をねらいます。

また、更衣室には洗面台もありますので、朝の時間帯には洗顔用に利用することも可能です。2等船客は、ここでなければ、トイレの洗面台利用なので、それが嫌な方には良いかも知れません。据え付けのドライヤーもありますし、200Vと100Vのコンセントも用意されていますので、電動シェーバーも利用可です。

・一等和室
1999年3月末に、子供連れ(10歳と5歳)家族旅行の際に1等室の和室を利用しましたが、とても快適でした。子供は2等室デッキにある展望風呂を喜びましたが、部屋毎にあるシャワールーム(トイレ付き)は幼児連れの際には非常に便利だと思います。幼児分の料金はもちろん無料、また定員4名ですが、別の機会に3名で利用した際、3名分の料金で利用できました。小グループにも、寝転がってくつろげる和室がお薦め、部屋の広さは、実質使用空間が2m×3m程度です。タオル・歯ブラシ・歯磨き粉・石鹸・シャンプーの入った洗面セットが付いてきます。寝具のマット・毛布等は2等船室と同じです。なお、韓国側新造船「ソンヒ号」にも和室の設定があるようです。

・2等船室
コスト削減を狙う学生さん達なら、もちろん2等で充分。船室には、各部屋に定員分の敷きマット・毛布・枕が1セットずつ並べて用意されています。この マットの大きさ(60cm×180cm)が自分の専有面積と考えてください。乗船時に部屋番号を割り当てられますが、各部屋(ブロック)に、このマット等のセット分ずつ人数配分しているようです。ただし、混雑時は、早めの乗船をおすすめします。韓国の方々の荷物がやたらと多いので、マットはあってもスペースが無いという状態もあり得るからです。このように、1等室と違うのは、個室化されていないのと、不特定多数の乗客との雑魚寝になること、お風呂やトイレは共同になることです。ただ、展望窓付きの大浴場は、清潔でゆったりしていてとても良かったですよ。更衣室には、コイン利用の洗濯機も備え付けられていました。混雑さえしていなければ、いろいろな人達との一晩の共有も良い思い出になるのではと思います。「はまゆう」では、乗船時の部屋配分で常連の担ぎ屋アジュマ(おばさん)のみなさんと一般旅客とが分離され、棲み分けられるよう調整しているようです。たしかに、あのおばさんパワーは凄いものがありますので、この配慮は大変ありがたいことです。

・アップグレード、その他
日韓共同切符を利用すると、船室は2等扱いになりますが、上記運賃の差額を払うことでアップグレードも可能です。乗船手続きの際、窓口で申し出るだけで変更できます。シングル個室はないようですが、空いていれば2人用の個室(洋室)を一人で使わせてもらえます。グレードアップの利点は、乗船時に部屋が確保されている安心感と個室ならではのリラックス感です。一人旅なら、2等船室でも場所の確保くらい何とかなるやと気楽でいられますが、数人のグループ単位の行動だとそうはいきません。混雑時には熾烈な場所取り合戦の覚悟が必要です。

ただし、14人以上集まると団体扱いしてもらえて、2等船室でも1ブロックをグループ専用に確保してくれたりもします。乗船手続きも事務所カウンターでグループ単位の扱いとなり、窓口が混雑していても行列とは無縁になります。乗下船時も団体優先となって、実にスムーズで快適になります。もちろん料金も団体割引料金です。いろいろ特典もありますので、ある程度の人数で乗る場合は予約時に旅行代理店経由で交渉してもらいましょう。

子供連れ、老人、車椅子利用などの要介護者も、乗下船時に優先配慮してもらえます。


<レストラン>はまゆうのレストランメニューです。(2001.9乗船時)

<夕 食>
【洋】
はまゆうAセット \2,000 ミニステーキ・エビフライ(*2)・付け合わせ・ミニサラダ・ライスorパン・スープ・フルーツ・コーヒー
はまゆうBセット \1,500 焼肉・エビフライ(*2)・唐揚げ・付け合わせ・ミニサラダ・ライスorパン・スープ・コーヒー

はまゆうCセット \1,100 エビフライ・唐揚げ・ハンバーグ・付け合わせ・ライスorパン
Sステーキ        \2,000 ライスorパン・スープ・サラダ
ハンバーグ       \1,200  ライスorパン・スープ・サラダ
海老フライ        \1,200  ライスorパン・スープ・サラダ
魚フライ           \900  ライスorパン・スープ
スパゲッティ(ミートソース) \800
カレー             \800

【和】
鰻丼定食          \1,200
カツ丼定食        \1,000
親子丼定食       \800
豚生姜焼き定食  \1,000
豚カツ定食        \1,000

うどんセット        \900  肉orかやくうどん+いなり寿司・巻寿司
学生うどん定食   \500 うどん+ごはん
天ざるそば        \900
チャンポン         \800

【韓】
ビビンバ定食     \1,000 ※人気メニューのようで、のんびり行くといつも売り切れ。
焼き肉定食       \1,000

【中】
中華丼定食      \1,000
唐揚げ定食      \1,000

<朝食>
 
和定食  \800
洋定食  \800

<アラカルト・単品>
ハムサラダ         \800
鶏唐揚げ            \800
サラミ                \600
チーズ               \600
粗挽きウィンナー  \600
冷や奴              \300
ライス                \250
みそ汁              \150

<飲み物>
ビール(中瓶)\250
冷酒(180ml)・清酒(180ml)・焼酎(180ml)各\300
オレンジJ・トマトJ・コーヒー(H/I)各\300

味の評価というものは、きわめて主観的なのものなので、特にはいたしませんが、調理担当のコックさんが乗っているため、レンジでチンというようなものは出てきません。街のファミリーレストランの水準は満たしていると思いますが、コストパフォーマンスは良いとは言えないかもしれません(特に洋食のA・Bセット。セットの珈琲も言わなければ放っておかれる)。もうちょっと一工夫あるといいのにな、と思います。個人的には、 朝食の和定食が好きです。


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