1998年11月3日(火)発行 創刊号 東京中華スポーツ 1

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S仙サポ懐柔作戦

やっていた!

  JFL最終節,青赤軍団の荒れ狂う駒沢競技場で新潟を倒した東京は,ソニー仙台が川崎フロンターレを倒すという奇跡を呼び,見事最終節にして逆転優勝の栄冠を手にしたが,この大逆転を呼んだ執念のサポートに先立って,7人のガスサポゴール裏がソニー仙台のミラクルを誘発すべく,いつものゴール裏とは180度違ったスタイルの懐柔作戦を展開していたことが判明した。

 調べによると去る10月14日,仙台スタジアムで行われたソニー仙台対東京ガス戦にて,わずか7人の声出し要員で構成された青赤軍団は,いつもと違ってちょこんとゴール裏に陣取り,オーロラビジョンの下のマスコットのようにおとなしかったという。後半戦に入ってからは選手名の連呼を中心にコールが出はじめたが,ホームでのいつものノリではなく,あたかも高校野球の応援のようにクリーンかつクリアーな応援が続けられた。

「優勝のためなら何でもアリ」,異例の素直さで大逆転をお膳立て!
  そしてこの日最もクリーンさをアピールしたのは,試合終了後のソニー仙台サポーターからのエールに対し,ガスサポは何らひねりも加えずに本当に素直な「ソニー」コールを返したときであった。このようないつもとは違ったガスサポの態度はソニー仙台サポに深い感銘を与え,会場を後にしたソニー仙台サポーターは「我々のガスサポ観は間違っていた。我々は川崎に勝利することで彼らに応えなければならない」と,互いに確認しあったというもっぱらの噂だ。

 かくしてソニー仙台サポは,今やパソコンをめぐって熾烈な争いを続けるライバルである富士通率いる川崎フロンターレに対し,「目指せJ1昇格!」なる応援ボードをかざしながら,実際の勝負ではロスタイム決勝点を浴びせるという「アメとムチ」作戦を見事成功させたのであった。

 ソニー仙台は来年は新JFLへ,東京ガスはJ2へ。来年以降両者が対戦する機会は,なかなか無いであろう。今回の大逆転優勝の陰の立役者であるソニー仙台を永遠に忘れぬことを誓ったあるガスサポは,駒沢での最終戦終了後,「感謝の気持ちを常にもち,とりあえず電化製品をソニー製品で順次買い換えていくことを決意した」と語ったという。


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