Anderssen-Staunton,1857,London


26.Bg5まで
a 棋譜再現 s

彼の著書を私は「新刊」の棚で見た。
 最初の国際大会の運営、ルールや駒の形の統一、定跡書の執筆、雑誌編集、初手c4、などなど、Stauntonの偉大さは、ただの競技者としての枠を超えている。ロマン主義の時代とは思えぬ守備的な陣形で相手のミスを待つ棋風。そして、不思議なことに相手はちゃんとミスをおかすのである。Morphyとの正式な試合を見たかった。Stauntonが逃げまわったという説と、彼はシェークスピア学者でもあり、その著作集編纂に忙しかったのだ、という好意的な説とがある。
 本局、すでに駒損のうえ、ナイトが狙われているが、Stauntonの次の一手は26...Nf3+! 白は27.Rxf3.Rxf3のとき、28.Bxe7と取れない。周到な返し技が用意されているのだ。珍しく、彼の強さがわかりやすい名局である。三人同士の相談対局だが、Anderssen対Stauntonと考えて良い内容だ。