Bourdonnais-McDonnell,1834,London


13.Nd5まで
b 棋譜再現 m

たったの三歳違いだが、McDonnellはもっと若くも幼くも見える。
 黒がf2のポーンを掠め取って、有利な局面。それでも、白はさらにポーンを捨てて、その代償にナイトを好点d5に据えてきた。しかし、McDonellの次の一手は、それを豪快に粉砕する13...Nxd5!!!。クィーンを捨ててでも、相手に盤面を支配させるのを拒否したのである。通算成績ではBourdonnaisに劣るMcDonnellだが、85局あると言われる彼らの対局で、特に知られるのはこの第50局である。
 二人の対戦では序盤が大きくものを言った。しかし、中終盤の力はMcDonellが上だったのではないか。たとえば、40手以内の勝負では11勝28敗3分とさんざんな彼も、そこを乗りきった41手以上の対戦成績なら16勝17敗10分、ほとんど五分なのである。2ポーン・ダウンの絶望的な終盤を引き分けた、第13局などが私には印象深い。