Samuel Loyd
Checkmate,1903

Mate in Three
棋譜再現 l

14歳から活躍。チェス以外の問題創作でも成功した「パズル王」。
 1.Bc6+のような空き王手が目に付くが、それでは5手詰めになってしまう。黒王の逃げ場所、d4とf4をうまく押えつつ寄せたいが、都合よくいくものか、、、。「Steinitz Gambit」の名で知られる傑作中の傑作である。初代世界王座の得意戦法に由来する命名だ。この名のおかげで正解手がだいたいわかるわけだが、それだけに、答えを知ったときの感動が半減してまうのが残念でもある。
 当のSteinitzがこんなことを言っていた、「Loydのプロブレムはすべての手をしらみつぶしに調べれば解けるが、正解はいつも最後に調べた手である」。つまり「最も正解では無さそうな手」が正解手なのだ。解き慣れてくるとそれがよくわかる。手の美しさや論理性ではなく、意外性が命なのだ。上の図は、その意味でもLoydの代表作たるにふさわしい。