McDonnell-Bourdonnais,1834,London


20...f7-f5まで
m 棋譜再現 b

ポーン三つが密集突撃を果たした投了図も美しい。
 20...f5。一目、「この手は何だ」と思う。わざわざf7の地点を空けて、キングを敵の目にさらしている。具体的にも、21.Qc4+.Kh8,22.Ba4となれば、以下、いくらか黒の駒損ではないか。そして、実際の指し手もそう進んだ。しかし、どうもこれはBourdonnaisの読み筋、つまり、20...f5は罠だったのではないか。
 BourdonnaisとMcDonnellの死闘は一年間で6度のマッチ。McDonnellの死期を早めてしまったが、初めて棋譜が本格的に公開された対局でもあり、後世に与えた影響は計り知れない。プロブレム作家だったAnderssenを"対局者"に転向させたきっかけも、この二人の棋譜だった。ただ、対戦成績は45勝27敗13分、Bourdonnaisの圧勝である。経験豊かな実戦家として彼の方が一枚上手であったことは否めない。ここに紹介した一局は第62局目。