Marshall-Pillsbury,1903,Vienna


23.Qd3-e3まで
m 棋譜再現 p

チェス独特の殺戮感覚にあふれた一局。
 若い頃のMarshallが大好きである。棋譜から「わいはやるでえ、やったるでー」という気合の良い関西弁が聞こえてくるのだ。"Young Marshall"という本まであるのはわかる気がする。たとえば、相手がゆったりとパイプをくゆらす英国紳士となると、ヤンキーならではの対抗心が湧き起こる。「パイプに火ぃ付く前にシバキ倒したろ」という芸人の血も騒ぎ、がんがん攻めて17手で仕留めてしまうのだ。名局Burn戦誕生のエピソードである。
 Pillsburyと並んでアメリカを代表する、また、Pillsbury以上にアメリカを感じさせる棋士だった。図はこの二人の激戦から。ここでMarshallの形成判断は「わいの勝ちや」。何ぬかすねん、と私でさえ突っ込みたい。が、こんな敗勢を彼は何度もひっくり返してきたのだ。史上名高い「Marshall swindle」、その好例である。