Zukertort-Blackburne,1883,London


27.d5+. e5まで
z 棋譜再現 b

音楽評論家、戦場の勇士、化学も学んだ、とても書ききれない。
 Zukertortといえばこの一局。次の一手は28.Qb4!。これは取れない。勢いに乗って、さらに好手が続く。
 19世紀スタイルの彼がStenitzに勝てなかったのは歴史の必然だろう。ただし、現実は単純ではない。1886年のマッチで、初戦を失ったもののそこから4連勝したのはZukertortだったのだ。特に第2戦、第3戦の華麗な駒さばきは、チェスの神Caissaが彼に「約束」を与えたかのような印象さえ与える。が、そこからは1勝9敗5分の大崩落。Stenitzの巻き返しもさることながら、Zukertortの体調も危機的だったようだ。その後、医者に止められても指し続け、チェスの名所Simpson's Divanで対局中に倒れて不帰の人となった。「いつ逝ってもいい」が晩年の口癖だった。