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北ウラル杯、ドルトムント大番狂わせ、コステニクに質問しよう。

05/08/10
 読者からうれしいツッコミ。榛葉君は「我が静岡県選出の"参議院議員"だ!」。
 映画ネタをもう少し。ちょっと古いが8月号の「SCREEN」にモーガン・フリーマンのインタヴューがあった。「ミリオンダラーベイビー」で共演したクリント・イーストウッドについて、「共演者からは良い影響を受けるものだよ。たとえるならチェスのゲームのようなもので、うまい人と共演すれば自分も上達する」。彼も指せるのかな。それにしても「PREMIERE」休刊以来、買う映画雑誌が無くなった。酒向充英の記事を楽しみにしてたのに。彼はどこへ消えたのか。
05/08/09
 欧州団体選手権の男子はオランダが優勝。女子はポーランドでした。
 リュミエール兄弟のDVD四枚組を見た。狙いは無論、最初期のチェス映画を鑑賞するためである。ところが収録されていない。一枚目のメニュー画面には対局風景が使われているのに。つまり、撮影されてるのは確かなのだ。
 ところで昨日の話、皇帝ペンギンとフィッシャーを掛けていたのはわかっていただけたろうか。こころは「日本脱出したし」。
05/08/08
 政治は難しい。本当に解散総選挙になったら、いつもは自民党支持の私も、フィッシャー事件で民主党の世話になったんで、今回は宗旨替えをするつもりだ。私とは選挙区が違う人だが、投票用紙には榛葉賀津也(しんばかづや)と書く。
 記録映画「皇帝ペンギン」を見てきた。海遊館でも私はぺんちゃんの前に来るとしばらく動けないほど好きなのだ。塚本邦雄が亡くなった年だけに味わい深さはひとしおである。開始早々いきなりドサッと氷上に乗り上げる迫力が良い。重量感がありすぎて、そのうち笑けてくる。この一升瓶が列をなしてよちよちと大行進を始めるかわいらしさったらない。そして話は大自然の試練に続くのだが、ここも感動的だ。フランス製の傑作動物映画というと「WATARIDORI」が想起されるが、あれより画像処理はずっと控え目で、そこも気に入った。
05/08/07
 コステニクへの質問、さきほど畏友がマネージャーに送信してくれました。畏友の英文は私でもすんなり読めたので、この点は安心してください。おかげさまでなかなかの内容です。ちょっと自信あり。サーシャは欧州団体選手権の後はすぐマインツに転戦する。返事をもらえるのはいつ頃だろう、楽しみです。
 こないだ触れたトパロフのインタヴューは彼の人柄がわかって面白かったが、最後に何人かの棋士に言及している。特にカルポフ評が当ってると思った。「カスパロフやアナンドの才能はすごい。カルポフはまた違う。生まれながらの勝負師なんだ、競技に生きる人さ。どんなゲームでもうまくいったんじゃないかな、カードとかバックギャモンとか。でもチェスを選んで、それでとても強くなった。でも実際、彼の特質は戦闘能力にある。すごく精神的に強いんだ」。河口俊彦が大山康晴についてもそんなことを言ってた。
05/08/06
 カルポフがイリュムジノフ会長を批判して、「どんなクソ頭でも奴よりましだ」。世界チャンピオンの制度をまともなものに戻したがっている。「カルポフやカスパロフの名よりもFIDE選手権者という名目の方が格上だ、と考えたところが奴の間違いだった」。彼を新会長に推す動きもある。無視できず会長側が反論したほどだ。
 今年もマインツは楽しい企画を揃えた。たとえば、Unzickerの80歳をお祝いして、かつて世界を支配した強豪たちが集まる。カルポフも参加し、コルチノイも来る。久しぶりの対戦だ。いまだにコルチノイはライバルの首を狙っているだろう。
05/08/05
 欧州団体選手権、6/9Rが済んで女子はポーランドが単独トップ。優勝が当然と思われたロシアはルーマニアに負けたのが痛い。コステニクもここでペプタンという聞いたことも無い棋士に負けている。敵王が中盤戦の段階で盤面の中央に進出してくる、相手の名局だった。
 コステニクへの質問、みなさんありがとうございました。最後にいただいたのは、「タクティカルなチェスを学びたいなら、また、ポジショナルなチェスなら、どんな棋士の棋譜を並べたらいいでしょう」。膨大な質問量になってしまった。いま畏友が英訳してる最中です。全部に答えが得られるか心配ですが、日本を好きになってもらえる程の熱意は届くでしょう。
05/08/03 紹介棋譜参照
 北ウラルでは最下位、さんざんだったステファノバだが、欧州団体選手権でラーノを破った。より良い競技環境のサポートを求めて国外に出るという話を聞いたが、今大会はまだブルガリア代表である。紹介棋譜に。
 コステニクも好調。彼女は理屈で説明しにくい手を指すことがある。私が質問したいのは、そんな時の彼女の形勢判断。私の選んだ実戦譜を使って答えてもらおうと思う。こんな機会があろうとは!
 それから、コーチやマネージャーの存在と役割についても訊きたい。日本の囲碁や将棋のプロとは大きく異なる点だ。NICの最新号で、トパロフが長いインタヴューに答えているが、そこでも、彼と一心同体のマネージャーについて触れられていた。
05/08/02
 取った駒を打てる将棋ルールに関する質問もいただいた、「チェスにもこんなルールがあったらどうでしょう」。コステニクが将棋に興味を持ってくれたらいいなあ。
 何度か触れてきたが、将棋の駒打ちルールを日本人の民族性から説明するのは、どうしても気に食わない。けどまあ、今日は私も試しにやってみよう。藤木久志の本を、たとえば『飢餓と戦争の戦国を行く』を読むと、戦国時代の印象が変わる。戦争の主目的は食料、奴隷、人質の略奪だったのだ。だから、敵を殺しては元も子も無い、ということも多かったろう。こんな当時の民族精神が、相手の駒を殺しきらずに利用するルールの創案に影響したのかもしれない。
05/08/01
 「ロシア人女性はチェスが出来ないと嫁入りできない」という説がある。コステニクに訊いて真偽を確かめよう、そんな質問もいただいた。ガプリンダシビリやチブルダニーゼを生んだグルジアでは盤駒が嫁入り道具になるそうだ。前から言いたかったことだが、若い頃のチブルダニゼはやせていて、神秘的な微笑の似合う美人である。無論、いまの彼女も好きだ。
05/07/31
 冥王星の外に新惑星発見、となると、一番影響を受けるのは、科学者でなくわれわれ占星術師だろう。もっとも、私自身は近世以降に発見された惑星は無視して占う。さて、7月のムダ話は短歌であった。存命の歌人で一番すきなのが水原紫苑である。「われらかつて魚なりし頃かたらひし藻の蔭に似るゆふぐれ来たる」。最初の歌集「びあんか」(1989年)から。
05/07/30
 昨年のウクライナ選手権で18歳のヴォロキチンが優勝した時、私は無視。しくじった。欧州団体選手権が始まってますが、彼は不参加。ポノマリョフが「もう国の代表としては戦わない」と言ってるので、今後は期待されるでしょう。今年は各国代表のメンバーがどことなくパッとしない。けど、女子チームを見るとロシアの主将はもちろんサーシャです。畏友が膨大な質問リストを作ってきました。第一問が「身長と血液型は」。はぁ?みなさーん、私は皆さんが頼りです。
 今月はなぜかムダ話の暇がありませんでしたね。見た映画は、うーん、やっぱ「スターウォーズ、シスの復讐」を挙げます。冒頭からガンガンくるCGがすごい。来年のアカデミー賞長編アニメ部門はこれで決まりでしょう。
05/07/29
 バイエルが全10ラウンドを終了、ヴォロキチンとゲルファンドが同点優勝。カールセンは最下位でした。7ラウンドまで首位だったナカムラはここから3連敗。けれど、ゲルファンドに猛攻を仕掛けた最終局とか良い試合を作ってくれました。
 コステニクのインタヴュー、ありがたいことに、いくつかもう質問をいただいてます。「過去3年間でのベストゲームは?」とか、「現行のチェスより複雑なゲームへの関心は?」とか、たしかに気になることです。
05/07/28
 マネージャーさんの名はディエゴ。コステニクの公式ページにちらっと顔が出ることがあります。のほほんとしたおじさん風で、これがサーシャの好みの男性像か、と思うと自信が湧くというものです。畏友とのメールのやりとりを聞かせてもらうと、丁寧、誠実、仕事熱心、という印象。
 さて、「サーシャにメールでインタヴューしたいんですけどいいですか」と畏友が彼に頼んだところ、すぐ返信してくださいました。「名案じゃないか。これが君の国でのチェスの普及に役立つなら応援させてもらうよ」。うれしー。
 せっかくの機会です。皆さんも何かコステニクに訊きたい事ありませんか?初心者の素朴な質問でも、ディープなファンの長年の疑問でも、どうぞ。将棋ファンの声とかあっても面白いかも。私のページのアドレスまで送ってください。日本語でも英語でも構いません。お待ちしてます!
 期間は一週間くらい、八月三日まで。私もいろいろ考えます。それから、皇帝陛下やBlackdogさんの掲示板でも宣伝させてもらおうと思ってます。
05/07/27
 畏友がコステニクのマネージャーさんからありがたい話をいただいた。詳しくは明日に。ちょっと相談させてください。
 畏友が最近読んだのはFrederick Edgeの"The Exploits and Triumphs in Europe of Paul Morphy"。エッジはモーフィーの秘書でした。本の内容は1858年の記録で初版は1859年。「スタントンがモーフィーとのマッチを拒否したやりとりが詳述されていて、それで有名な本のようです。ほか、当時のアメリカ、イギリス、フランスのチェス界の様子が伺えます」。かなり面白かったようで、彼はアメリカのチェス史にかかわる本を漁り始めている。
05/07/25
 今年はチェス界と将棋界の違いを意識させられる出来事が多い。いわゆる瀬川問題とか、他には、加藤一二三がテレビ棋戦で待ったをして、罰金を科せられたうえ、来期の出場資格を失った話があった。03/08/18でふれたアズマイパラシビリの待ったと好対照である。実際、こんなことでFIDEが棋士を出場停止に追い込むなんて考えられない。悪いマナーの例は『完全チェス読本』第3巻にいろいろ載っている。待ったなんていじらしいくらいだ。東西文明の優劣は問うまい。個人的には、暴力事件の大内延介がお咎め無しで、待ったの加藤一二三が処分されるというのが面白いと思った。比較になるかどうか、囲碁界では、柳時薫の頬を切った小林覚は一年間全棋戦の謹慎処分だった。そのとき、「棋士としてそれはあまりにつらい」と言ったのが依田紀基である、「日本棋院の便所掃除一週間で勘弁してやったらどうか」。
05/07/24 紹介棋譜参照
 FC2の"すごいカウンター"を使ってきたが、あんまりひどい。夜9時からはまともに機能しなくなるのである。75746まで数字を育ててきたが、外すことにした。代わりにアクセス解析を設置。もっとも、これもFC2のものである。さてどうなるか。
 シロフの話をもう少し。彼は1998年、クラムニクとのマッチに2勝0敗7分で勝ってカスパロフへの挑戦権を得た。ところが、シロフがカスパロフにまったく勝てないのは周知のとおり。92年から98年では0勝7敗6分だ。このため、満足のゆくスポンサーが付かなかったのである。結局、様々な交渉の末、クラムニクが挑戦権を得てしまった。クラムニク対カスパロフは93年からロンドンのマッチ直前まで3勝3敗17分だった。シロフはカスパロフに謝罪を要求。カスパロフはその必要を認めなかった。で、二人の仲が3年ほどこじれることになる。
 図は黒がシロフで、クラムニクとのマッチの最終局。新著でシロフは書いている。白王は悪形で、彼はそこを突きたいと思っていた。すると、ある手が自然に浮かんできた、21...Qb6!!である。「ここでは21...Re6もあった、けれど、勝てそうな時に、そんな他の手を読むわけが無い!」。
05/07/23
 素晴らしかった王位戦第一局の解説を見たくて「週刊将棋」を買った。読むと、対局風景も尋常でなかったようだ、「佐藤さん、嘔吐するような空咳を連発してるよ」。局後はファンの前で感想戦をしたそうだが、局面が難解すぎ、解説者も含めて棋士四人が20分ほども客席に背を向けたまま無言で考え込んでしまったとか。最後に羽生が次局からの抱負を語っていると、その最中に佐藤がいきなり叫んで「詰んだっ!」。場を忘れて読みの世界にトリップしていたんですね。
 第二局も済んでいる。初日、後手佐藤が飛車を振り、序盤早々に1二飛、2二銀という珍形になった。二日目が昨日で、午後の局面をネットでチェックすると、どうも羽生が良さそうだ。しばらくして見直すと7七香、難解なのかな。そして、佐藤はここで7五桂打、もしかして、佐藤有利では?と初めて思った。いや、有利どころではない。羽生は投了してしまったのである。誰よりも驚いたのは佐藤で、その瞬間、「えっ」。
05/07/22
 畏友によると、国際将棋フォーラムの招待予定の選手に変更も追加も無さそう、とのこと。コステニクの招待は無し、残念。私と畏友の提案を真面目に聞いてくださった方にお礼とお詫びを申しあげます。
 Shirovの"Fire On Board"のPartUが届きました。1997年から2004年までの52局を解説。前著のような定跡や終盤の研究が無い分、薄くなりました。私のページでは2000年のシロフを二局あつかいました。比べると、彼が当時の分析をさらに深めているのがわかります。旧著は高い評価を得ましたが、新著もファンを喜ばすことでしょう。なんと言っても、彼の一番強かった時期の好局が並んでるのが魅力です。
05/07/20
 ACPが独自のレイティング計算をしてることはすでにお伝えした。その1シーズンが済んでいる。上位八人が年間の最優秀選手権を争う大会に出場できる。順に、アナンド、レコ、ゲルファンド、ラジャボフ、ボロガン、クラムニク、モロゼビッチ、ソコロフである。きわめて魅力的な顔ぶれだ。ただ、まだスポンサーも開催地も決まってない。困ったところがFIDEに似てしまった。
05/07/19
 ナイディッシュは19歳、彼に関して私は、過去二年のドルトムントに地元の好意で出してもらってる子、という印象しかない。2003年は最下位だった。初手は徹底してe4で、後手になるとクィーンズギャンビットをしない。ナイドルフに組めばなかなか負けないようである。
 バイエルも始まっている。ナカムラとカールセンの出場がうれしい。後者はノルウェー選手権を優勝してからやってきた。ところが、他はゲルファンドがいるくらいで、強豪に人気棋士を集められず、今年はパッとしない。初戦からナカムラ対カールセンだったが、これも不満な引き分け。追記ノルウェー選手権はまだ同点者のプレーオフを11月に残してました。
 むしろ、カナダ・オープンの方がイワンチュク、シロフ、ボロガンをそろえて気を引いた。優勝はこの三人のほか計五名。イワンチュクはこうした大会での活躍が増えてきたが、当然のように優勝している。
05/07/18(その二)
 ドルトムント最終日の中継を見ると、とっくにナイディッシュは引き分けていた。相手のスヴィドラーは白番で、勝てば優勝だったろうに。彼は四年前のバイエルでも最終戦で同じ振る舞いをし、コルチノイに優勝を贈っている。団体戦では奮戦する印象があるだけに不思議な人だ。
 ファン・ベリーもクラムニクも黒番で無理をした。どちらも切ない頑張りだったが、前者は引き分け、後者は負け。いやはや、ナイディッシュが優勝だ。ボロガンの時は、彼が強いことは前から知っていたのだが、今回は呆れるより無い。こないだのソフィアにせよ、地元の声援って大きいんだなあ。
05/07/18(その一)
 ドルトムントのラス前、ナイディッシュはさっさと引き分け。早くも「その気」になっている。一方、初手d4のファン・ベリーはトパロフがフレンチを志向したので面食らったろう。トパロフは1994年まではフレンチを得意にしていたが、私のデータでは最近は少なく、試しても負けばっかで、十年ほども勝ちが無い。しかし、この日の指し回しは、これほど対角線を巧妙に切り開いた棋譜を初めて見た、というほどの出来栄えだった。ファン・ベリーは痛い星を落とした。クラムニクも勝って半点差まで迫ったが遅きに失すの観あり。
05/07/17 紹介棋譜参照
 ここしばらく土曜の仕事を休めず機嫌が悪い。王位戦は佐藤康光が羽生善治に挑戦して初戦を獲った。将棋ならではの捻り合いが素晴らしかった。畏友も大満足。なのに今週は「囲碁将棋ジャーナル」の放送が無い!
 ドルトムント第7R。いつレコが首位に戻るのかなと思っていたら、スヴィドラーに負けてしまった。こんなことがあってよいのか、念のため対戦成績を調べると、意外にもスヴィドラーはレコの天敵だった。今大会もレコの圧力によく耐え、一気に寄せ返した勝利である。首位に半点差まで上がってきた。そして、ナイディッシュが長い戦いに勝ち、ファン・ヴェリーに追い付いた。第6Rでクラムニクからミラクル・ドローを勝ち取り万来の喝采を浴びた一局がとてつもなく大きかったわけである。クラム戦の最後20手を紹介棋譜にしておこう。かくて、二年前のボロガンの優勝以上に異常な優勝争いになった。
05/07/16 紹介棋譜参照
 ドルトムントの第6R、ファン・ヴェリーが勝って単独一位。二年前のヴェイカンゼー第7Rでトップに立って以来の活躍です。好局でしたので紹介棋譜に。なお、主催者は己の愚を悟ったか、インターネット中継を許してくれました。いま観戦中ですが、こうして見ると今大会が急に面白くなってきた。無料の公開は損のようでいても、広く注目を集める分、スポンサーの宣伝効果は高いのでは。毎日新聞も気付いてほしい。
 さて、コステニクのマネージャーさんのお話です。国際将棋フォーラムの頃に来日するためのスケジュールは組めるよ、とのこと。日本将棋連盟様、彼女を招待してください!!!また、日本の雑誌や新聞で彼女に興味を持ってくれるところがあれば、メールでのインタヴューに応じるよ、とのこと。どうでしょう、囲碁や将棋とは一味ちがうチェスの女流棋士の世界を紹介しよう、というメディアはありませんか?
05/07/14
 最終日の北ウラル杯はコステニクが上手に勝った。首位に半点差である。つくづく一昨日の敗戦が惜しい。優勝はもちろんコネルー、おめでとう。ドルトムントはレコがニールセンを倒して首位に並んだ。落ち着いた勝ちっぷりが彼らしい。
 畏友がコステニクに「秋の将棋イヴェントで来日しませんか?」とメールしたところ、なんとマネージャー(夫も兼ねる)から返事が来てしまった。
05/07/13
 北ウラル杯はコネルーがドロー、許c華は思わぬ敗戦。コステニクは負けを覚悟した局面で長考、そこからドローに持ち込んだ。ドルトムントはファン・ヴェリー、ニールセン、Naiditschが相変わらずトップ。ただし最下位10位まで1点差。
05/07/12
 北ウラル杯はコステニクと許c華の激突。フレンチを攻めた白コステニクが2ポーンの駒得で楽勝ペースだったのだが、突然、手つきがふわふわしだした。あまりに残念な敗北である。コネルーも順当に勝ち、許と二人の優勝争いに。
 ドルトムントは優勝候補とは思えない人たちの勝利で、わけのわからぬ星取りになっている。クラムニク対トパロフが前者の勝ち。トパロフは05/05/18で紹介したポノマリョフ戦と同じ型に進め、またしても敗れた。R対B+Pの交換はRの方が強いんだなあと実感させてくれるクラムニクの指しっぷりであった。
05/07/11 紹介棋譜参照
 一日やすんで後半戦に入った北ウラル杯第6Rは全五局の平均手数が60.6手、熱戦ばかりでした。結果は許c華も首位に追いついて四人が並ぶ混戦に。そのうち、残り三戦の対戦相手が楽なのがコネルーで、きついのがコステニクです。
 ドルトムントは二日目も激しくて三局で勝負が着きました。トパロフが星を五分に戻し、サトフスキーがクラムニクに勝った。後者を紹介棋譜に。
05/07/10
 「将棋世界」を買い続けていた頃、楽しみにしてたひとつが佐藤康光の自戦記で、いまは『注釈 康光戦記』として読むことができる。さすが浅川書房。注や談話を加えた編集がまた素晴らしい。佐藤はこの本でチェスやロチェ戦に触れている。
 ドルトムントが始まった。初日はいきなり五局のうち四局で勝負が着いた。アダムズがトパロフを破り、レコも勝った。組み合わせや参加者に毎年なにかの工夫がある大会だが、今年は「インターネット中継をしない」。テレビ重視の発想のようだ。
05/07/09 紹介棋譜参照
 国際将棋フォーラムの第一回は1999年で、第二回は2002年。いずれも開催期間にロチェが来てくれてる。特に第一回は当時奥さんだったスクリプチェンコも一緒だった。そして、羽生善治が彼女と指して金星を仕留めた(相撲取りは美人を「金星」と呼ぶ)。第二回はロチェが羽生のほか、森内俊之、佐藤康光の三人と同時対局をしてくれた。紹介棋譜にしておこう。
 図は羽生対スクリプチェンコ。ここでいきなりズドーンと羽生は21.Rxf7だ。21...Rxf7に対し22.Bg6から24.Rf1で敵陣を身動きできぬように固めておく。しかし、駒損が大きすぎて心配だ。が、そこで25.h4からh5、h6と伸ばすのが天才の構想だったのである。これで決まった。今年はコステニクを相手にこんなのを見せてくれたらなあ。
 北ウラル杯はコステニクが勝って首位に並んだ。敗れたステファノバに元気が無かった。
05/07/08 紹介棋譜参照
 なんか本気でコステニクを呼んでくれないかなあ、という気分になってきた。みなさんも、彼女が同時対局をしてくれるということになったら会場を取り巻いてみたいでしょう。フォーラムの成功まちがいなし。そんなにギャラは高くないだろうから、日本将棋連盟様、いかがです?日本での仕事に彼女のマネージャーが興味を持ってるのは確かですし。
 北ウラル杯は、図で駒損の白がコネルー。黒馬にa2を取らせながら白女王をe6に運ぶ流れがきれいだった。黒は馬をa2から逃がすよりないが、その一手のスキを使って形勢を五分に戻したのである。しかも、e6の黒卒は取らない。白f5と突き捨ててからQe6だ。このあたりを紹介棋譜にしたので、その巧みさを味わってください。かくて彼女がトップに立った。ただし、途中、私でもわかった即詰を彼女は見逃している。同点の首位はコワレフスカヤ。サーシャは半点差。
05/07/07
 北ウラル杯はコステニク対コネルー。駒の交換を望む消極的なコネルーに対し優勢になったコステニクは、これを勝ちにつなげようと無理してしまい、終盤は逆転されていた。そこから粘って結果はドロー。でもまだ首位グループにいる。
 コステニクを国際将棋フォーラムに呼べたら、と話は畏友と盛り上がった。「羽生善治と対局してほしい」。「チェスだけじゃなくて、彼女に将棋も覚えてもらってさ」。
05/07/06
 ウィンドウズ付属のゲーム「スパイダ」の中級を100回やって勝率73%だった。
 北ウラル杯という名から地方愛好家の集まりを想像してしまうが、昨日紹介したような最高級の大会である。初日、コステニクはコシンツェバ(タチアナ、妹)を破り、二日目はチブルダニゼと駒の交換を進めてドロー。無理の無い出だしは彼女にとって吉である。つい先日もChessBaseに彼女の記事が載った。チェスの魅力を世界にアピールしてくれる最強のキャラという紹介。畏友は彼女のホームページをよくチェックしていて、それによると先月下旬はコロンビアへ同時対局に出かけている。普及活動にとても熱心な人だ。
 日本将棋連盟が81周年の盤寿を迎えるということで、記念行事の一環として10月に第三回国際将棋フォーラムをやる、とか。畏友が気にしていて、私も告知を見たが特に例年と変わり映えがしない。その分、おざなりな印象さえ漂う。せっかく「国際」と銘打ってるのだから、コステニクとか呼べたら盛り上がると思うんだけど。
05/07/04
 モスクワからとんでもなく東に向かってウラル山脈さえ越えたところにある、聞いた事も無い都市クラスノツーリンスクで女子の強豪を集めた大会が始まります。コシンチェバ姉妹の他、欧州女子に不参加だったコステニュク、ステファノバ、チブルダニゼ、アジアからはコネルーと許c華などなど、全部で十人。
 昨年の世界選手権を思い出しますね。敗退したコネルーがお父さんの胸に顔をうずめて泣いてるところや、許c華が投了してすぐ席を立ち、泣かぬように顔をこわばらせて早足で会場を去ったところ、優勝したエティが疲労を隠して無理に笑顔を作ってたところ。なんか、そんな場面ばかりですが。
05/07/03 紹介棋譜参照
 ラジャボフの1敗はカリャーキンに喫したもの。三歳違いの二人の対戦は05/04/07にも触れたことがあります。どっちが強いのかな、と手持ちの資料で調べたら2勝2敗0分で、すべて白番の勝ち。どれも面白い。先輩のポノマリョフ対グリシュクがあっさりドローになったりするのとは対照的です。ライバル心むき出しの対戦は今後もう見逃せませんね。
 今大会の対戦は図で黒12...Ne7まで。定跡書では評価が悪い手なだけに、黒ラジャには何か用意があったかもしれない。けど、カリャの方が先に新技を出した。定跡書の推奨手は13.Ncb4ですが、その前にまず13.h4. Bh6, 14.a4. bxa4としてから15.Ncb4が工夫。そして、15...Bd7に16.Rxa4と切ってきたんです。紹介棋譜にしたので御覧ください。カリャーキンの狙いはQ翼にパスポーンを作ることでした。この珍しい形を研究してたんでしょうか。
05/07/02 紹介棋譜参照
 ワルシャワで開催の欧州選手権は全13ラウンドの長丁場が最終日を迎えた。優勝争いは80年代の大棋士ベリャフスキーと中堅のNisipeanu。この二人の直接対決があった。私は先月の仕事疲れがあって観戦できず。目覚めてさっそくTWICを見ると、黒番を勝ったNisipeanuの優勝だった。7勝0敗6分。単独の二位はラジャボフで7勝1敗5分。
 カリャーキンの台頭、そして、それを止めたイワンチュクとベリャフスキー、両ベテランの意地が印象的な大会だった。参加者229人で、とても棋譜を並べきれない。ドレーエフとカールセンから一局づつを紹介棋譜にしよう。前者はヒュドラのついでに見ていて、いつもながらうまいもんだと感心した。後者は05/06/10で触れた負けの借りを返したもので、図はベルリンから19...g6まで。ここでカールセンの20.e6が印象的である。その後も素晴らしい。
05/07/01 紹介棋譜参照
 レオンやヒュドラの話をしてる間も、いろんな大会が始まったり終わったりしていた。まず、欧州女子選手権、所はモルドバ。畏友が外務省のページで調べてみると、この国への渡航は「十分に注意してください」。コステニュクやステファノバの不参加にはいろんな理由が考えられるが、これも関係あるか。混戦を制した優勝者はラーノ。
 また、ハンガリーのパクシで昨年も触れたマルクス大会が、より充実したメンバーで行われ、アルマーシーが優勝した。本欄で言及したことは無いけれど、攻めが強くて私は好きだった。彼らしい名局を紹介棋譜に。昨年優勝のコルチノイは首位を走っていたのだが、終りになって連敗し二位だった。参加者は他にサシキラン、サトフスキーなど。
 それから、現在進行中なのは欧州選手権。これはカリャーキンが引っ張っている。しかし、独走しそうになると負けるというのを二度やった。で、追いつかれ、11ラウンドを終えてイワンチュクなど七人が8.0点で並んでいる。明日はこの話を。

戎棋夷説