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戎棋夷説

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16/07/23
 20.hxg4. Nxg4, 21.d5
 b7 地点の黒ビショップが強烈すぎるから、白はこれをかわしたい。だから、図の21.d5 は私もそう指すだろう、と思っていた。けれど、Fritz は21.g3 を推奨する。白はビショップの働きが悪くなるが、なるほど、これなら私もちょっと考えただろう。実際は黒がすでに勝勢である。
 さて、本譜21.d5 で私は勝利を確信した。chess.com では、予想手順を入力しておけば、自動的に手を進めてくれる。私は最後まで読み切って、その手順を入力し、ログオフした。もちろん、予想どおりに進んだ。だから、次にログインした時は終局していた。
 その手順、わかりますか?

16/07/21
 18.c4. d6, 19.Nd3. g4
 やっぱり18.c4 だった。Fritz は18.Qd1 を推奨していたが、ここで退くようではすでに白が悪いのだろう。
 ついに私に攻撃の手番がまわってきた。まづ、18...d6 で白ナイトにお引き取り願う。これで前線を清掃できた。そして19...g4 だ。初めて黒駒が五段目に侵入した。
 もうこの時点では「油断しなければ勝てる」と思っている。ただ、図で20.h4 の場合を読まず、勢いで19...g4 に踏み込んでいた。まあ、19...g4 以外無かろう。実際、20.h4 なら20...Ne4 が黒Nd2 の両取りを狙っていて、黒良しだ。以下、21.Rad1. Qxh4 である。

16/07/19
 17.Nxe7. Qxe7
 10手目から読み筋どおりの展開が続き、とうとう17手目までそのまんま実現した。私のレベルではあまり無いことである。10手目に述べたことを繰り返すと、「17...Qxe7 が可能なら、黒は希望を持てる」。不安材料は、c7 地点のポーンが離れ駒になる点である。しかし、何日もあったので結論は出た。どうやら、白にはc7 地点を攻める手順が無い。そこで、自信をもって17...Qxe7 を指した。
 図では、「つぎ、18.c4 なら、形勢は黒が指しやすいな」と思っていた。序盤の一手で指せる白Pc4 に二手もかけるのだから遅い。つくづくPc3 型は拙劣である。18.c4 なら黒は攻撃開始だ。しかし、18.c4 くらいしか思いつかない。白はどうするのか。

16/07/17
 15.Nfe5. Rg7, 16.Qb3. Kh7
 前回に述べた読み筋どおりに進んでいる。相手もそうだろう。騎馬軍団が敵陣に侵入し、優勢を感じていたはずだ。しかし、黒だって、ルークが逃げ回っているようでいて、実は自然にg7 の好位置を占め、白王を射程に収めている。
 そして、私は、図の16...Kh7 が好手だ、と思っていた。狙いは黒Rxg6 からの二枚替である。白は17.Nxe7 しか無いだろう。4手もかけたせっかくのナイトが、5手目にビショップと交換しただけで消えてしまうのだ。残ったもうひとつの白ナイトも黒Pd6 で撃退されるだろう。つまり騎馬軍団は崩壊だ。一方、黒陣について言えば、黒王は白Qの斜線筋から避難できた。さらにa筋のルークをg8 地点にまわすことも見込める。16...Kh7 にはこれだけの功徳がある。
 ところが、対局後にFritz で調べると、もっと効果的な手があった、とのこと。16...Bd6 である。こうしてから黒Kh7 の方が良いらしい。g6 地点の白ナイトはビショップとの交換さえできず、敵中で孤立することになるからだ。
 ただ、本譜で黒が有利なら、この方がわかりやすいとは思う。では有利なのか。図の時点ではわからなかった。攻め込まれてるのはたしかだから、不安はあったのである。

16/07/15
 10...g5, 11.Bh2. a6, 12.Bxc6. Bxc6, 13.Nce5. Bb7, 14.Ng6. Rf7
 何度も何度も読みを確認するうちに、だんだん気づいてきた。白の狙いが実現しても、黒はあんまり困ってないのである。そこで、私は10...g5 を選んだ。さらに11...a6 も指して、相手の望み通り白馬を急所を呼び込んだ。ほんとにこれで黒は安心なのか。しかし、へたに相手の狙いを避けるのは、もっと悪い気がした。
 図まですべて読み筋どおりである。白の手順は妥当なものだろう。ここからの五手で形勢が動く。
 私はもっと先まで考えていた。読み筋を書き留めておくと、図から15.Nfe5. Rg7, 16.Qb3. Kh7. 17. Nxe7 と進むのが最善で、ここで17...Qxe7 が可能なら、黒は希望を持てる。
 Fritz によれば、図での正着は15.Nxe7+ である。これで形勢互角とのこと。これなら私は上記の読み筋の黒Qxe7 ができず、15...Rxe7 しかない。ただ、白も急所のナイトを手放すから、引き分けがせいぜいだろう。
 そこで、相手はナイトを残し、勝つ手順を選んできた。
 

16/07/13
 9...h6, 10.Nc4
 私は、白のBf4 型とPh3 型の両方をとがめよう、と思った。それが9...h6 である。Pg5 でf4 地点のビショップを追い、さらにPg4 でh3 地点に仕掛けてゆく。
 欠点はg6 地点に穴が生じることだが、黒の攻めが速そうだから問題無い、と判断した。甘い判断であった。ちなみにFritz は9...Qe8 を推奨する。これならg6 地点のキズをあらかじめカバーしている。しかし、以下10.Bxc7 は10...d6 で黒が良い、という形勢判断ができなければ、9...Qe8 は指せない。私には無理だ。だから、結論としては、9...h6 は自分の棋力相応の手だったと思う。
 10.Nc4 を見て、やっと白の新手8.Bb5 の意味に気づいた。白Bxc6 黒Bxc6 から白Nce5 を狙っていたのだ。e5 地点に白馬が居座ると厄介なのである。しかも、白Ng6 の狙いまで生じている。9...h6 の欠点を早くも突かれてしまった。どうしよう。本局でいちばん考えた場面である。
 いまFritz で調べると、10...a6 が推奨される。これはちょっと指す気がしない。上記の相手の狙いがすんなり実現してしまう。だから、10...d6 か10...g5 だ。Nce5 を阻止するなら10...d6 である。ただし、黒の攻めは遅くなる。対して、当初の私の構想通り、黒の攻めの速さに期待するなら9...g5 だ。その代わり、白の攻撃をまともに食らう。
 10...d6 は11.Qa4 で白駒の展開が威勢良い。10...g5 はe5 地点やg6 地点を守れそうにない。すこし不利なのか。

16/07/11
 8.Bb5. Nc6, 9.O-O
 新手は8.Bb5 だった。意味は後でわかった。e5 地点の支配を狙っていたのである。
 黒はもちろん8...Nc6 だ。いつもなら白Pd5 がこわくて、指すには度胸の要る手である。黒がこの手を気楽に指せるのも白Pc3 型の欠点だろう。
 白は9.0-0 で駒組の基礎工事を終えた。黒は8...Nc6 ですでに終えている。白に一手の遅れが生じたのは4.h3 を入れたためだ。これは白Bf4 型の欠点である。
 とはいえ、黒はこれでやっと互角というところだ。Dutch Defence はなかなか優勢を感じられない。初手1...f5 が作るf7 地点のキズが大きいからだろう。「Dutch Defence の原罪」と私は呼んでいる。
 さて、黒の手番だ。何を構想しよう。実は本局の直前のDutch Defence で私は負けていた。Q翼が決戦場になった一局であり、この点がDutch Defence にふさわしくなかった、という指摘を上級者から受けた。私としては、Q翼で動いたのは自慢の構想だったのに。後で棋譜をFritz にかけて調べても、私の構想に間違いは無かった。しかし、たしかにDutch らしからぬ一局ではあった。上記の一局を負けたから良かったものの、たまたま勝っていたら、Dutch Defence の理解は何局も遅れたに違いない。
 だから、私はQ翼で動く発想は捨てた。K翼、K翼、と念じながら、盤面のそっちの方を見て考えた。

16/07/09
 3...c3. e6, 4.h3. b6, 5.Bf4. Bb7, 6.Nbd2. Be7, 7.e3. O-O
 黒はPe6 からBe7 の布陣を選ぶ。白はb3 地点からg8 地点までの斜線に乗って攻めてくるから、それをPe6 で止めるのだ。
 白Bf4 型は白Pc3 型と合わせて採用されることが多い。e5 地点で黒が反撃するのを封じている。その場合、Ph3 型もほとんどワンセットで現れる。白の暗色ビショップが黒から狙われた時の引き上げ場所として、h2 地点を用意するためだ。
 白の布陣を一言でまとめれば、b3 地点からg8 地点までの明色斜線と、h2 地点からb8 地点までの暗色斜線を、左右から十字砲火のように交差させ、黒陣を圧迫するのが狙いだ。chess.com ではよく見かける布陣であり、実際、慣れてないと非常に苦労するのは黒だ。
 ただ、慣れてしまえば、白陣の欠陥は大きい。Q翼の構えが低く、したがって圧力が感じられない。黒には理想形をゆっくり組む余裕が生じる。図がそれだ。Bb7 が好位置である。いつもなら、このビショップがさばけず、悩むところだ。
 もう一つ大事な工夫がある。dポーンを動かさない。これを会得するまで、ずいぶん時間がかかった。この型をわかっていても、ついPd6 を指して、白の暗色ビショップに対抗したくなってしまうのである。しかし、Pd6 はe6 地点を弱くする悪手だ。
 次が新手だった。普通は8.Bd3 である。

16/07/05
 1...f5, 2.Nf3. Nf6, 3.c3
 実際に勝てなくなる前から不調には気づいていて、立ち直りをいろいろ考えた。そのひとつが定跡選択である。もともと私は相手の棋譜を調べて、長所と弱点を見つけ、それに合わせて定跡や中盤の戦い方を決めていた。しかし、相手が強くなると、これがうまくいかない。弱点は見つけづらく、また、私が一夜漬けで用意した定跡では歯が立たない。苦戦が続き、やっと悟った。これからは、相手の弱点に合わせて作戦を決めるのではなく、自分の棋風に合わせて得意戦法を決め、それを磨くべきなのである。
 さいわい、自分の棋風はよくわかっている。1.d4 には1...f5 のDutch Defence だ。正直言って、この定跡は黒が悪いと思う。陣形に癖があり、しばしば一般的な教科書の教える大局観が通用しないので、習得も難しい。でもまあ、自分にはこれだ、と思った。で、持時間10分の早指しで試したところ、最初はことごとく負けた。でも、だんだん使えるようになってきたのである。本局はその一区切りの成果だ。
 3.c3 がchess.com でよく見かける特有の素人戦法だ。黒0-0 のあと、白はQb3 やBc4 で黒王を狙うつもりである。素人戦法だけに、専門の定跡書にはあまり載ってない。だから、対策は自分で考えた。かなり考えた。本局はその発表会でもある。
 最初に黒が決めなければならないのは駒組だ。Bg7 か、Be7 か。さて、どちらを選ぼう。

16/07/03
 chess.com で持時間一手三日のonline 戦は不調が続いていた。昨年十月に勝ったのを最後に翌年五月まで0勝7敗5分というありさまだった。
 レイティングは2123 から2010 まで下がった。chess.com での「強い人」の基準であるらしい2000 を割るかどうかまで追い詰められたことになる。もっとも、そのおかげで対戦相手は弱くなり、最近はまた持ち直している。二〇一一年十一月にchess.com を始めて以来最高の好局も指せた。記念に棋譜を残しておきたい。
 対局期間は六月一五日から七月一日まで。各国の代表を名乗るチームの対抗戦であるWorld League の対アルバニア戦から。参加者は互いに三一人で、私はその四番卓だ。対局開始時点で私のレイティングは2042。相手は2028 だった。ほぼ互角だ。
 私は黒番である。初手は1.d4 だった。


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