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フリッツ・ラング「飾窓の女」

 向き合う映画である。観客をほったらかしにして二人は向き合う。向き合うために二人は話を続ける。男も女も、本当は聡明だと思うのだが、不器用なへまを積み重ねるのは、再び向き合う機会を求めてるからではなかろうか。女は小太りの男が好きらしい。でも、やせた男も、もっと彼女と向き合う姿勢を見せれば、結末は違っていたかもしれない。
 悪夢としか言いようの無い結末は大方の人が予想していたはずだ。ラングも隠してるとは思わない。それで充分楽しいのだから、不満を言うと、鍵となる二人をもう少しきわどくあからさまに登場させておいても良かったのではなかろうか。