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裁判傍聴の方法
あらゆる民事訴訟は原則として公開で行われ,誰でも気軽に裁判傍聴ができます。
裁判所は思いのほか開かれた場所です。三権のひとつを担う裁判所の雰囲気を,是非一度味わってみてください(ただし,東京地裁・高裁は裁判所の建物に入る際に,空港と同様な手荷物検査と金属探知器があります。また,最高裁についても同様のようです(「サイコーですか?最高裁!」 裁判はいつどこで行われているのか裁判傍聴をするには原則として手続きは不要です。ふらっと裁判所に出かけて,どこでも開廷中の法廷におもむろに入って傍聴をすることができます。傍聴券が必要な民事裁判は,マスコミで繰り返し報道されるような有名事件などのごく一部です。ところがいざ裁判傍聴をしようとすると,いつどこでどのような裁判をやっているのかを知る方法がとても少ないことに困惑することになります。当日の裁判については ,法廷の入り口や受付付近に開廷表が掲示されており,そこに開始時刻,事件番号,原告名,被告名などが書いてあるのでそれらを知ることができます(メモもできます)。しかしあくまで当日の裁判についてのみであり,翌日以降の開廷表はありません。したがって裁判と無縁な多くの国民が裁判傍聴をしようと思えば,いきなり裁判所に行ってみる方法を取らざるを得ないことになります。 東京地裁の場合,裁判所の開門は8時20分,ほとんどの法廷の開廷は午前が10時,午後は13時10分です。ただし,1月上旬,引継ぎなどで忙しい年度始めの4月上・中旬,および夏休み期間中の7月下旬から8月一杯は夏季休廷期間として,開廷自体が非常に少なくなり,東京地裁のような大きな裁判所でも,行ってみたらスカだったということがあり得ます。 傍聴のお勧めは「証拠調べ」開廷表には ,それぞれの裁判がその日にどのようなことをするのかを,「第1回弁論」,「口頭弁論」,「弁論準備」,「証拠調べ」(本人ないし証人),「判決言渡」などのように記されています。この中で,その裁判の内容を知らなくても傍聴する意味が大きいのは,なんといっても「 証拠調べ」(本人ないし証人)です。これは「人証調べ」ともいい,当事者本人や証人という"証拠"を文字通り取り調べる,いわゆる証人尋問・本人尋問のことです。証言台に証人や当事者が座り,それを取り囲む弁護士や裁判官が質問を投げかけていくという,裁判とは無縁の一般の人が描く"裁判"のイメージそのままのことが行われます。逆に言うと人証調べ以外 は,裁判とは無縁の一般の人が描く"裁判"のイメージとは違うし,またそのため裁判の内容はわからないことがほとんどです。「第1回弁論」,「口頭弁論」は,裁判官と双方の弁護士とが提出書類の点検をしたり次回の日程を調整するだけで,通常は数分で終了してしまいます。 「弁論準備」は,第三者は傍聴そのものができません。そして,訴訟内容を知らずして民事事件の判決言渡しを傍聴することも意味がありません。なぜなら民事訴訟の判決言渡しでは,裁判長が「棄却」とか「○○円支払え」というような結果(「主文」といいます)を述べるだけで,その内容は後刻当事者に交付される判決文を確認するようになっているからです。つまり民事訴訟では,人証調べ以外の法廷を傍聴しても得るところは少ないのです。逆に人証調べの法廷をしっかり傍聴すると,事件の概要が良くわかることが多いと思います。ただし,尋問以外の口頭弁論,特に第1回弁論では事件内容が垣間見れることもあるので,気になる事件であればそれらも傍聴すると良いかも知れません。 傍聴席に入ったら開廷時間前に傍聴席に入ると,裁判官の登場を待つことになります。裁判官とそれぞれの弁護士ないしは当事者が揃うと,裁判が始まります。そのとき多くの場合は,傍聴席も含めて「起立,礼」をするようです。人証調べを行う場合には,証人ないし当事者が冒頭に 宣誓を行います。「良心に従い,真実を述べ,何ごとも隠さず,偽りを述べないことを誓います。」という趣旨ですが,傍聴席の傍聴人も含めて起立して宣誓を聴くことが多いようです。 ちなみに宣誓文は裁判所や法廷によって多少の違いがあるようです。人証調べの場合,まずその尋問される人の味方側の弁護士が尋問を行い,これを主尋問といいます。続いて相手側の弁護士が行い,これを反対尋問といいます。その後さらに追加で尋問したり,裁判官が尋問したりします。尋問は弁護士 だけでなく当事者も行うことができますが,実際には当事者が行うことはほとんどありません。 裁判の途中で傍聴席に出たり入ったりすることは自由です。メモを取ることは自由ですが,録音,録画は禁止されています。近くの裁判所を探すには,「各地の裁判所」(裁判所のホームページ)からどうぞ。 医療訴訟の傍聴についていくつかの比較的規模の大きな地方裁判所では医療集中部が設定されており,医療訴訟を扱う部が限られています。平成22年1月現在,東京地裁の場合は50部まである民事部のうち,第14部,第30部,第34部,第35部が医療集中部となっており,医療訴訟はこのいずれかの部で扱われます。これらの部では医療訴訟以外の訴訟も扱っていますが,医療訴訟 については開廷表に「(医療訴訟)」の但し書きがついているので,東京地裁で医療訴訟を探す場合には,開廷表の中でもこれらの部のものだけを見ればよいでしょう。東京地裁ではもともと医療集中部の法廷が開廷されない火曜日を除けば,それなりの確率で医療訴訟の人証調べを傍聴できます 。特に3ヶ部の開廷日が重なる木曜日には,かなり高率に認証調べが行われています。医療訴訟の現場を是非一度ご覧ください。ただし先に述べたように,1月上旬,4月上・中旬および7月末から8月一杯は,開廷が激減していますのでご注意ください。
平成20年4月13日記す。 医療訴訟トップに戻る | 表紙に戻る |
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